はじめに
「子どもの気持ちが分からない」
「子どもが学校へ行かなくて困っている」
「うちの子は、このままずっと学校へ行けないかもしれない……」
この本を見られた皆さんの多くは、現在 不登校や引きこもりのお子さんがいらっしゃるという方ではないかと思います。家族全体が切迫した状態にあり、先の見えない苦悩と焦りを抱えながら、日々を過ごしているのかもしれません。
それは、まさに以前の私です。そんな私が我が子の不登校の問題を克服するまでには、様々な人とのかかわりや学び、経験がありました。
~(中略)~
この本は「こうして不登校を克服しました」という単純なお話だけをお伝えするものではありません。私が不登校の問題と向き合い始めてから、現在に至るまでの集大成として、お母さん方と私の体験が、深く一致したところを文章として書き残したものです。
この本が、たくさんの方々の「幸せへの気づき」となることを心から願っています。
この本をつくったわけ
ある日、子どもが学校に行けなくなった。布団から起き上がれなくなった。
食事をとれなくなった。玄関から外に出れなくなった。
やっとの思いでたどりついた心療内科で鬱という診断。
それから私たち親子の戦いが始まった。
子どもは昼夜逆転はもとより、リスカ、拒食、お風呂に入らない、夜になると何かに憑りつかれたように怯えて叫ぶ。
私はいっときも目を離すことができず、買い物もおちおちできずにいた。。。
あの頃
子どもが死んでしまうんじゃないかと怯えていたあの頃。
あの頃をどう過ごしたのか覚えていないことも多いが、きっかけになったのは一枚のホットケーキだった。
食べなかった子どもがあまり上手でもないホットケーキを口にして、もう一枚食べたいと言ったその頃
ココロが荒れ果てた我が家が少し落ち着きを取り戻し始めた。
不登校になって半年過ぎていただろうか。
我が家は年子だったので、ひとつ学年が上の子どもがいた。ちょうど高校受験の頃だったので、多感な思春期の二人には本当に申し訳ないことをしたと思っている。
兄弟がいるとやはり互いに影響しあうことが多い。
が、もともと我が家は加須奥がバラバラであったことも不幸なことだった。
このような私の家庭が、なぜバラバラになってしまったのか
なぜ、子どもがこれほど激しく不登校へ向かったのか
子どもの不登校をきっかけに、どのように考え、それぞれの子どもたちの自立を模索したのか
その長い道のりを本にすることでどなたかの参考になれば、私は嬉しく思います。
不登校になる子どもは、まじめな子どもさんが多い気がします。
そして私の様に、お母さんお父さんもまじめで融通がきかないタイプの方が多いように思います。
まじめゆえに、お互いの我を譲れない行き違いも多発します。
できれば本書を読んで「穏やか」に生き、親子で笑いあえるようなヒントを探してほしいと心から願います。
著者 りんりん
心理療法カウンセラー 家族セラピスト 産業カウンセラー
典型的な機能不全家庭に育ち、30代の頃から自分がアダルトチルドレンであると自認するも、生きづらさをかかえたまま、結婚、育児、宗教依存、スピリチュアル、家庭不和、そして離婚。
子どもの不登校を経験し、不登校ブログ「歩いていこう」を書き始める。
やがて「壊れた心を取り戻す」という衝撃的なブログに出会い、ブログ主のきんたろうさんとの対話が始まった。
どんな本にも書いていないアダルトチルドレンと不登校の関係を知り、その真髄を学んだ。
2009年 ボランティアでインターネット介した相談業務を2人で開始
2010年4月 「あなここ(あなたのココロを守りたい)」を立ち上げ、現在に至る。